自分の子供が、突然、原因もわからず体の痛みを訴える。それは、親にとって、自身の体調不良以上に心をかき乱される出来事です。「何か大変な病気なのではないか」「後遺症が残ったらどうしよう」「私のせいだろうか」。様々な不安が頭をよぎり、冷静でいるのが難しくなるのも当然のことです。特に、首の痛みのように、見た目にも異常(傾き)が分かりやすく、体の重要な部分である場合は、その心配は一層大きくなるでしょう。病院へ連れて行き、「環軸関節回旋位固定」といった診断名がついて、治療方針が決まれば、少しは安堵するかもしれません。しかし、そこからが新たな不安との戦いの始まりでもあります。「本当に治るのだろうか」「カラーを嫌がってつけてくれない」「いつまでこの状態が続くのか」。先の見えない状況は、親のメンタルを少しずつ削っていきます。このような時、親自身が自分の心の健康を保つために、いくつか意識しておきたいことがあります。まず、第一に「情報を集めすぎない、悪い情報に振り回されない」ことです。不安な時ほど、インターネットで病名について検索しがちですが、そこには稀な重症例や、信憑性の低い情報も溢れています。過度な情報は、不安を増幅させるだけです。信頼すべき情報は、目の前の主治医からの言葉だけ、と割り切りましょう。疑問や不安があれば、次の診察の際にメモにまとめておき、医師に直接質問するのが最も確実です。次に、「一人で抱え込まない」ことです。パートナーや、信頼できる友人、親などに、今の不安な気持ちを話してみましょう。ただ話を聞いてもらうだけでも、心は軽くなります。また、同じような経験をした人の話を聞くことも、大きな助けになるかもしれません。そして、「完璧な看病を目指さない」ことも大切です。子供が痛がっている姿を見るのはつらいですが、四六時中、親が緊張状態にあっては、身が持ちません。子供が眠っている時間や、パートナーが見てくれている時間には、意識的に自分自身がリラックスする時間を作りましょう。好きな音楽を聴く、温かいお茶を飲む、短い時間でも好きなことをする。親の心が安定していることが、子供にとって何よりの安心材料になります。子供の痛みは、必ず良くなる。そう信じて、自分自身の心も大切にしながら、この少し大変な時期を乗り越えていきましょう。