つらいかかとの痛みが、ストレッチや治療によってようやく和らいできた時、多くの人が「もう大丈夫」と安心してしまうかもしれません。しかし、足底腱膜炎などの踵の痛みは、その原因となった生活習慣を改めない限り、再発しやすいという特徴があります。痛みがなくなった後こそ、再発を防ぐための根本的な対策を始める絶好の機会です。二度とあの痛みを繰り返さないために、今日から見直すべき生活習慣のポイントをご紹介します。まず、最も重要な要素の一つが「体重の管理」です。私たちの足の裏は、歩行時には体重の約1.2倍、ランニング時には約3倍もの負荷を受け止めています。体重が数キログラム増えるだけでも、足底腱膜にかかる負担は飛躍的に増大します。もし、体重が標準よりもオーバーしている場合は、バランスの取れた食事と適度な運動によって、無理のない範囲で減量に取り組むことが、最も効果的な再発予防策となります。次に、「長時間の立ちっぱなし・歩きっぱなしを避ける」工夫です。仕事などで、どうしても長時間立ち続けなければならない場合は、時々座って休憩したり、足踏みをしたりして、同じ場所に負荷がかかり続けないようにしましょう。また、コンクリートのような硬い地面の上での作業が多い方は、衝撃を吸収してくれるクッション性の高いマットを足元に敷くといった工夫も有効です。そして、「運動習慣の見直し」も欠かせません。運動不足はふくらはぎの筋肉を硬くし、再発のリスクを高めます。日頃からウォーキングなどを取り入れ、足全体の柔軟性を保ちましょう。一方で、ランニングなどのスポーツをする方は、準備運動とクールダウンを徹底することが重要です。運動前には必ずふくらはぎや足裏のストレッチを行い、運動後にも同様のストレッチと、必要であればアイシングを行って、足底腱膜のケアを怠らないようにしましょう。急に運動の強度や距離を上げるのも禁物です。自分の体の声を聞きながら、段階的に負荷を上げていくことが大切です。これらの地道な生活習慣の改善は、かかとの健康を守るだけでなく、全身の健康維持にも繋がる、未来への投資なのです。
痛みの再発を防ぐための生活習慣改善