半年前の私は、まさか自分が歩くことに苦痛を感じるようになるとは、夢にも思っていませんでした。私は45歳のデスクワーカー。運動習慣はほとんどなく、通勤以外で歩くことも稀でした。異変が始まったのは、ある月曜日の朝。ベッドから降りた最初の一歩で、右足のかかとに「ズキッ」という、今まで感じたことのない鋭い痛みが走りました。一瞬うずくまりましたが、数歩歩くと痛みが和らいだので、「変な寝方でもしたかな」と、その日は気に留めませんでした。しかし、その日から毎朝、最初の一歩は激痛との戦いになりました。会社で長時間座った後に立ち上がる時も同様の痛みが襲います。週末に趣味の買い物を楽しむことも、かかとの痛みが気になって心から楽しめなくなっていました。さすがにおかしいと思い、近所の整形外科を受診。レントゲンを撮り、医師から告げられた病名は「足底腱膜炎」でした。医師からは、私の硬いふくらはぎと、クッション性のないペラペラの革靴が原因だろうと指摘されました。治療として、ストレッチの指導を受け、痛み止めの湿布を処方されました。その日から、私の地道な挑戦が始まりました。まず、言われた通りに、朝晩のストレッチを日課にしました。最初は硬くて全く伸びなかったふくらはぎが、一ヶ月も続けると少しずつ柔らかくなっていくのが分かりました。そして、週末には靴屋へ行き、店員さんと相談しながら、クッション性が高く、土踏まずをしっかり支えてくれるスニーカーを購入しました。通勤もそのスニーカーに変えたところ、驚くほどかかとへの負担が減り、一日の終わりの痛みが明らかに軽減されました。それでも、完全に痛みが消えるまでには時間がかかりました。調子の良い日もあれば、少し無理をすると痛みがぶり返す日もあり、一喜一憂の繰り返しでした。痛みが特にひどい時には、凍らせたペットボトルで足裏を冷やし、炎症を抑えました。そうして、ストレッチと靴の見直しを根気よく続けること約半年。気づけば、朝の一歩目の激痛は、ほとんど感じなくなっていました。この経験を通して、自分の体と向き合い、日々の小さなケアを積み重ねることの大切さを痛感しました。
私が踵の痛みと向き合った半年間の記録