口内炎と発熱という二つの症状が同時に現れた時、多くの人が「これは何科に行けばいいのだろう?」と迷います。口のトラブルだから歯科?熱があるから内科?あるいは、喉も痛いから耳鼻咽喉科?適切な診療科を選ぶことは、迅速で的確な診断と治療に繋がるため、非常に重要です。受診すべき診療科は、患者さんの年齢や、口内炎以外の症状によって変わってきます。まず、患者が「子供」である場合、第一選択となるのは「小児科」です。子供の口内炎と発熱のほとんどは、ヘルパンギーナ、手足口病、ヘルペス性口内炎といったウイルス感染症が原因です。小児科医はこれらの小児特有の疾患に最も精通しており、全身状態の管理や脱水への対応も含めて、総合的に診察してくれます。かかりつけの小児科医がいる場合は、まずそこに相談するのが最も安心です。次に、患者が「大人」である場合、選択肢はいくつか考えられます。喉の痛みが主症状で、喉の奥に口内炎が多数できているような場合は、「耳鼻咽喉科」が専門です。耳鼻咽喉科では、ファイバースコープなどを用いて、喉の奥や鼻の内部まで詳細に観察することができ、正確な診断が期待できます。口内炎だけでなく、全身の倦怠感や関節痛など、内科的な症状が強い場合や、原因がはっきりしない慢性的な発熱を伴う場合は、「内科」や「総合診療科」が適しています。これらの科では、ウイルス感染だけでなく、自己免疫疾患や血液疾患といった、全身性の病気の可能性も視野に入れて、必要な検査(血液検査など)を行い、原因を幅広く探ってくれます。また、口内炎そのものの痛みが非常に強く、食事も摂れないような場合や、歯茎の腫れや出血がひどい場合は、「歯科」や「歯科口腔外科」も選択肢となります。歯科では、口内炎に対する専門的な軟膏の処方や、レーザー治療など、痛みを和らげるための局所的な処置を行ってくれます。まとめると、子供はまず「小児科」へ。大人の場合は、喉の症状が強ければ「耳鼻咽喉科」、全身症状が強ければ「内科」、口の局所的な症状がつらければ「歯科・口腔外科」が主な選択肢となります。迷った場合は、まずは内科で相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらうのが良いでしょう。
口内炎と発熱。病院は何科を受診すべきか