突然、世界がぐるぐると回り出すような、激しい回転性めまいに襲われた時。その強烈な感覚と、立っていられないほどの不安定さに、多くの人はパニックに陥ってしまいます。しかし、こんな時こそ、慌てず冷静に対処することが、症状の悪化を防ぎ、安全を確保するために何よりも重要です。めまいが起きた時に、まず行うべきセルフケアのステップを知っておきましょう。安全な場所で安静にする: めまいの発作が起きたら、まずその場で全ての動きを止め、転倒を防ぐことが最優先です。立っている場合は、すぐにしゃがみ込むか、壁や手すりにつかまります。可能であれば、床やソファなど、安全な場所に横になりましょう。車の運転中であれば、ハザードランプをつけて、速やかに路肩に停車します。楽な姿勢をとる: 横になる場合は、自分が一番楽だと感じる向きで構いません。部屋を暗くし、静かな環境で、目を閉じて安静にしているのが良いでしょう。頭を動かすとめまいが悪化することが多いため、できるだけ頭を動かさないようにします。枕やクッションを使って、頭を楽な位置に固定するのも効果的です。衣服を緩める: ネクタイやベルト、襟元のボタンなど、体を締め付けているものを緩めて、リラックスできる状態を作りましょう。深呼吸をゆっくりと繰り返すことも、不安を和らげるのに役立ちます。落ち着くまで待つ: ぐるぐる回る回転性めまいの多くは、BPPVのように、数十秒から数分で、あるいはメニエール病のように数時間で、必ず終わりが来ます。焦らず、「このめまいは必ず治まる」と自分に言い聞かせ、発作が過ぎ去るのを待ちましょう。吐き気への対処: 強い吐き気を伴うことも多いです。無理に我慢せず、洗面器やビニール袋を用意し、吐いてしまった方が楽になることもあります。めまいが治まった後も、急に立ち上がったり、頭を大きく動かしたりするのは避けましょう。ゆっくりと、慎重に動き出すことが大切です。そして、めまいの発作が一度でも起きたら、症状が治まった後に、必ず耳鼻咽喉科などの専門医を受診してください。自己判断で放置することが、次の発作や、病状の悪化に繋がる可能性があります。