突発性発疹の熱が下がり、体は回復に向かっているはずなのに、なぜか子供が一日中ぐずぐずと泣き続け、何をしても気に入らない。抱っこをせがんでは、すぐに反り返って嫌がる。夜泣きもひどくなる。このような、原因不明の「不機嫌」に、多くの親が頭を悩ませます。実はこれ、突発性発疹を経験した多くの赤ちゃんに見られる、非常によくある現象で、俗に「不機嫌病」とも呼ばれています。この不機嫌は、決して親の育て方が悪いわけでも、子供のわがままが始まったわけでもありません。子供なりに、つらい体験を乗り越えた後の、心と体のアンバランスさが原因で起こっているのです。まず、考えてみてください。赤ちゃんにとって、生まれて初めて経験するかもしれない40度近い高熱が、3日も4日も続くというのは、想像を絶するほどつらい体験です。大人でさえ、高熱が出れば体中の節々が痛み、頭が割れるように痛むのです。言葉で不調を訴えられない赤ちゃんは、ただひたすらその不快感に耐えなければなりません。この数日間の闘病で、体力は完全に消耗しきっています。熱が下がったからといって、すぐに元の元気な状態に戻れるわけではないのです。体はまだ本調子ではなく、だるさや違和感が残っているのかもしれません。さらに、高熱による脳への影響も考えられます。高熱によって、脳内の神経伝達物質のバランスが一時的に乱れ、感情のコントロールがうまくできなくなっている、という説もあります。また、心理的な側面も大きいでしょう。体調が悪くて心細い数日間、ずっと親にべったりと甘えていた状態から、急に「もう元気になったでしょ?」と扱われることへの戸惑いや、まだ甘えていたいという気持ちが、ぐずりや後追いといった行動になって現れるのです。この「不機嫌病」は、病気の回復過程の一部です。特効薬はありません。親にできることは、ただ一つ。焦らず、叱らず、「つらかったね」「よく頑張ったね」と、子供の気持ちに寄り添い、今は思う存分甘えさせてあげることです。いつも以上にたくさん抱きしめ、安心感を与えてあげましょう。この不機嫌のピークは数日から一週間程度で、必ず終わりが来ます。嵐が過ぎ去るのを待つような気持ちで、ゆったりと見守ってあげてください。