数年前の夏、私は自分の足に起きた異変に言葉を失いました。ふと鏡で自分の足首を見たとき、まるでお風呂に入っていないかのような、どす黒い茶褐色の斑点が広がっていたのです。最初は靴下による摩擦や、サンダルでの日焼けによるシミだと思い、必死に洗ったり市販の美白クリームを塗ったりしましたが、一向に良くなる気配はありませんでした。それどころか、夜になると猛烈なかゆみに襲われ、無意識に掻き壊しては血が滲むという日々が続きました。これはただ事ではないと思い、私はまず近所の皮膚科へ駆け込みました。皮膚科の先生は私の足を見るなり「これはうっ滞性皮膚炎ですね」と仰いました。初めて聞く病名に戸惑う私に、先生は「皮膚を治すだけでは不十分かもしれません。根本的な血流を診てもらうために血管外科へ行ってください」とアドバイスをくれました。皮膚科で処方された軟膏で痒みは少し和らぎましたが、先生の言葉が気になり、後日、下肢静脈瘤を専門とする血管外科を受診することにしました。血管外科での検査は驚くほど丁寧でした。エコー検査で私の足の血管の様子をモニターに映し出し、血液が重力に負けて逆流している様子を視覚的に説明してくれました。私の場合、自覚症状はあまりありませんでしたが、長年の立ち仕事が原因で足の静脈の弁が壊れており、それが皮膚にまで悪影響を及ぼしていたのです。血管外科では医療用の弾性ストッキングによる圧迫療法を勧められ、さらに逆流がひどい箇所にはレーザー治療という選択肢があることも教えていただきました。最初は手術と聞いて怖くなりましたが、皮膚が黒ずんでボロボロになっていくのを食い止めるには、血管を治すしかないと納得し、治療を受ける決断をしました。治療後は、あんなに重かった足が驚くほど軽くなり、皮膚の黒ずみも数ヶ月かけて少しずつ薄くなっていきました。この経験を通じて私が学んだのは、足の皮膚のトラブルは決して表面だけの問題ではないということです。もし私が「何科に行けばいいかわからない」と迷い続け、皮膚科だけで治療を終えていたら、今頃はさらに悪化して歩行も困難になっていたかもしれません。皮膚のサインに気づいたとき、それをきっかけに体の内側の不調にまで目を向けることができたのは、皮膚科の先生の適切な誘導と、血管外科という専門の科が存在していたおかげです。今、同じように足の変色やかゆみに悩んでいる方がいれば、まずは専門医に相談することを強くお勧めします。
足の変色に驚き皮膚科と血管外科を訪ねた私のうっ滞性皮膚炎体験記