ふとした時に、指の第一関節(DIP関節)に痛みや腫れを感じる。指がこわばって動かしにくい、関節が赤く熱っぽい。こうした症状に気づいた時、特に40代以降の女性であれば、「ヘバーデン結節」という病気の可能性があります。この聞き慣れない名前の病気、いざ病院へ行こうにも「一体、何科を受診すればいいのだろう」と迷ってしまう方は少なくありません。関節の病気だから整形外科?それとも、リウマチの一種かもしれないからリウマチ科?この最初の診療科選びは、的確な診断と適切な治療への第一歩として非常に重要です。結論から言うと、ヘバーデン結節が疑われる場合に、まず受診すべき診療科は「整形外科」です。ヘバーデン結節は、指の第一関節の軟骨がすり減り、骨が変形することで痛みや腫れ、変形を引き起こす「変形性関節症」の一種です。骨や関節、靭帯、筋肉といった運動器の疾患を専門とする整形外科が、まさにこの病気の診断と治療の中心となります。整形外科では、まず問診で症状の詳しい経過を聞き、医師が直接指の状態を診察します。そして、診断を確定させるために「レントゲン(X線)検査」が行われます。レントゲンを撮ることで、関節の隙間が狭くなっていないか、骨のトゲ(骨棘:こつきょく)ができていないか、といったヘバーデン結節に特徴的な骨の変化を客観的に確認することができます。一方で、「リウマチ科」を受診した方が良いケースもあります。それは、指の第一関節だけでなく、第二関節や手首、あるいは全身の複数の関節に、左右対称性の腫れや痛み、そして朝の強いこわばりがある場合です。これは、免疫システムの異常によって起こる「関節リウマチ」の典型的な症状であり、ヘバーデン結節とは治療法が全く異なります。もし、どちらか判断に迷う場合は、まずは整形外科を受診し、そこでリウマチが疑われれば、専門であるリウマチ科へ紹介してもらう、という流れが一般的です。指の痛みを年のせいや使いすぎだと自己判断せず、まずは骨と関節の専門家である整形外科の扉を叩くこと。それが、つらい痛みと不安を解消するための、最も確実なスタートラインです。
指の第一関節が痛い。ヘバーデン結節は何科へ行くべきか