仕事の締め切りが重なり、寝不足が続いていたある日の夜、私は生まれて初めて経験する激しい動悸に襲われました。心臓が胸の中から飛び出さんばかりに激しく打ち付け、喉元まで脈が響いてくるような感覚に、私は死の恐怖さえ覚えました。数分で落ち着きはしたものの、翌朝になっても胸の奥に得体の知れない重苦しさが残っており、私は病院へ行くことを決意しました。しかし、そこで最初に直面したのが「何科に行けばいいのか」という素朴な疑問でした。最初は近所の総合内科に行こうかと考えましたが、心臓に関わることならより専門的な場所の方が安心だと思い直し、駅前の循環器内科クリニックを訪ねることにしました。この選択が、結果として私にとって最善の結果をもたらしました。診察室で医師に症状を伝えると、先生は私の話を丁寧に聞いた後、すぐに心電図を撮ってくれました。その時の心電図では異常が見つかりませんでしたが、先生は私の不安を汲み取り、二十四時間装着するホルター心電図という検査を提案してくれました。小さな機械を体に貼り付けたまま一日を過ごすのは少し不自由でしたが、その検査のおかげで、私が感じていた動悸の正体が「上室性頻脈」という、特定の回路を電気が回ってしまうタイプの不整脈であることが判明したのです。もし、あの時一般の内科で「ストレスですね」と片付けられていたら、私はその後もいつ起こるかわからない発作に怯えながら過ごしていたに違いありません。専門の循環器内科では、私の症状が命に別状はないこと、しかし生活の質を著しく下げるものであることを論理的に説明してくれました。さらに、薬によるコントロールだけでなく、根本的な治療法としてのカテーテル治療の選択肢についても詳しく教えていただき、暗闇の中に光が差したような気持ちになったのを今でも鮮明に覚えています。不整脈を自覚したとき、私たちはどうしても「大げさにしたくない」という心理が働いて受診を先延ばしにしがちです。しかし、心臓という代替のきかない臓器の不調に対しては、最初からその道のプロである循環器内科を頼るべきだと、私は身をもって学びました。専門医の診断を受けることは、単に病気を見つけるだけでなく、自分の体の状態を正しく理解し、過度な不安を取り除くための大切なプロセスです。今、脈の乱れを感じてこの記事を読んでいるあなたに伝えたいのは、病院へ行くことは勇気がいることかもしれませんが、循環器内科の先生方は毎日そのような不安を抱えた多くの患者さんと向き合っているエキスパートだということです。まずは一歩踏み出し、自分の心臓の声を専門家に聞いてもらってください。その決断が、私の時と同じように、あなたに大きな安心をもたらしてくれるはずです。
動悸や胸の違和感で迷った私の病院選びと体験談