私は以前、数ヶ月に一度は必ずと言っていいほど「めばちこ」ができる体質に悩まされていました。一度できると一週間は目が腫れ、コンタクトレンズも使えず、メイクもできない不自由な日々を過ごさなければなりません。当時は「どうして自分ばかりがこんな目にあうのか」と運の悪さを呪っていましたが、今振り返ってみると、当時の私の生活はめばちこが発生するための条件をすべて満たしていたと言わざるを得ません。最大の原因は、深刻な睡眠不足と乱れた食生活にありました。仕事の締め切りに追われて深夜まで起きていることが当たり前で、平均睡眠時間は四時間程度。身体は常に疲弊しており、免疫機能はどん底の状態でした。そんな中で、目の痒みを感じると、洗っていない手で強く目をこすってしまう癖がありました。指先には無数の細菌が付着しているという自覚が全くなかったのです。さらに追い打ちをかけたのが、アイメイクの落とし忘れです。疲れて帰宅し、クレンジングを適当に済ませて寝てしまうことで、まつ毛の生え際にある脂の出口「マイボーム腺」が化粧品の油分や微細な粉末で完全に塞がれていました。出口が塞がれば、中に溜まった脂は酸化し、そこへ指から移ったブドウ球菌が入り込んで大繁殖するという、まさに細菌にとっての楽園を作り上げていたわけです。ある時、眼科の先生から「めばちこは身体からの休めというサインですよ」と諭されました。先生によれば、私のまぶたの状態は、慢性的な炎症が起きやすい土壌になってしまっているとのことでした。それ以来、私は生活を根本から見直す決意をしました。まず、どれだけ忙しくても六時間の睡眠を確保し、食事にはビタミンB群を多く含む食材を取り入れるようにしました。そして何より、目を絶対に触らないというルールを徹底しました。アイメイクを落とす際も、専用のリムーバーでまつ毛の根元を優しく、しかし完璧に洗浄する「アイシャンプー」の習慣を取り入れました。驚くべきことに、これらの習慣を変えてから一年、あんなにしつこかっためばちこが一度も再発していないのです。めばちこの本当の原因は、外からやってくる菌だけではなく、その菌を迎え入れてしまう自分自身の生活の緩みにあったのだと痛感しました。もし、今何度もめばちこを繰り返して悩んでいる方がいれば、まずは鏡の中の目ではなく、自分の昨日一日の過ごし方を見つめ直してみてほしいと思います。小さな生活の修正が、薬以上に劇的な効果をもたらしてくれるはずです。