私は長年、立ち仕事による足のむくみを「いつものこと」だと片付けていました。夕方になればすねがパンパンになり、靴下を脱げば深い溝ができる。それが当たり前の日常であり、一晩寝れば少しは改善するため、病院へ行くという選択肢は頭にありませんでした。しかし、ある時期を境に、むくみは引きにくくなり、皮膚の状態に異変が現れ始めました。最初は足首の周りが茶色っぽく変色し、皮膚がテカテカと光り始めたのです。それでも私は「疲れが溜まっているだけだ」と自分に言い聞かせ、市販の着圧ソックスで誤魔化し続けていました。事態が急変したのは、それから数ヶ月後のことです。足のむくみがさらに悪化し、皮膚がパンパンに張り詰めて、少し擦れただけで水ぶくれができるようになりました。ある日、その水ぶくれが破れたのですが、驚いたことに何週間経っても傷口が塞がらないのです。それどころか、傷口から透明な液体がじわじわと漏れ出し、周囲の皮膚がどす黒く変色し始めました。猛烈な痛みと悪臭に耐えかねてようやく病院へ駆け込んだとき、医師から告げられた言葉は衝撃的でした。「これはうっ血性皮膚炎が悪化し、皮膚潰瘍になっています。もう少し遅ければ、組織が完全に壊死して足を切断しなければならないところでした」と言われたのです。原因は、慢性的な浮腫によって皮膚への栄養供給が途絶え、バリア機能が完全に破壊されたことでした。そこからの入院生活は過酷なものでした。点滴による抗生剤の投与、特殊な包帯による圧迫療法、そして何よりも、むくみの原因となっていた内臓疾患の治療。完治するまでに数ヶ月を要し、今でも私の足には大きな傷跡が残っています。浮腫が悪化すると、皮膚はこれほどまでに脆弱になり、修復能力を失ってしまうのだということを、私は身をもって知りました。たかがむくみ、されどむくみです。もしあの時、皮膚の色が変わった段階ですぐに受診していれば、これほどの苦痛を味わうことはなかったはずです。自分の足を鏡で見て、少しでも皮膚の質感や色に違和感を覚えたら、それは救急事態だと考えてください。
むくみを放置して皮膚が壊死する寸前まで至った私の体験記