呼吸器科や小児科の臨床現場において、突発性発疹の診断を下す際、医師が保護者に最もよく聞かれるのが「他の子にうつりますか、そしていつから園に戻せますか」という質問です。この疾患の原因はヒトヘルペスウイルス六型または七型であり、実は多くの大人の唾液の中に潜んでいるため、感染源を特定することは困難です。つまり、日常生活の中で避けることが難しいウイルスなのです。感染力については、発熱している時期が最も強いと考えられていますが、発疹が出ている時期にはすでにウイルスに対する抗体が作られ始めており、感染力は急激に低下しています。そのため、医学的な観点から「他の子にうつすから休まなければならない」という期間は、実は解熱した時点でほぼ終わっていると言えます。しかし、それでもなお、小児科医が解熱後すぐの登園を勧めない理由は、お子さん自身の全身状態の脆弱さにあります。高熱が数日間続くことで、乳幼児の未発達な体は大きなダメージを受けています。解熱直後は平熱に戻った反動で体温が低めになることもあり、自律神経が不安定な状態です。この時期に冷たい風に当たったり、大勢の子供がいる騒がしい環境に置かれたりすることは、二次的な細菌感染や中耳炎などを引き起こす引き金になりかねません。医師としてのアドバイスは、まず「子供がいつものように遊べているか」を確認することです。一人でおもちゃで遊び、笑い、呼びかけに応じる。この当たり前の動作ができるようになれば、復帰のサインです。また、多くの親御さんが「登園許可証」を求められますが、突発性発疹はそれが必要な伝染病のリストに入っていないことが多いため、まずは園のしおりを確認し、不要であれば無理に病院を再診する必要はありません。再診の手間よりも、その時間をお子さんとの休息に充てることが、医学的にも有意義です。ただし、解熱後に発疹が出ないまま不機嫌が続いたり、逆にぐったりして元気が出ない場合は、他の疾患が合併している可能性もあるため、その際は迷わず再診してください。正しい復帰判断とは、周囲への配慮と、お子さんの内なる力の回復、その両方を天秤にかけて、お子さんの側に寄り添った決断を下すことに他なりません。
小児科医が語る突発性発疹の感染力と保育園復帰の正しい判断