私は都内の大手企業で事務職として働いていますが、毎年夏になると最大の敵は屋外の暑さではなく、オフィスのクーラーになります。私の席はちょうど空調の吹き出し口の直下にあり、設定温度が二十五度に固定されているため、室内は常に北極のような寒さです。入社一年目の夏、私はこの環境に無防備で挑み、結果として激しい下痢に襲われ、一日に何度もトイレに駆け込むという屈辱的な経験をしました。会議中に突然襲ってくる腹部の不快感、そして脂汗が出るような痛み。仕事に集中するどころか、常にトイレの空き状況を気にしながら過ごす毎日は、精神的にもボロボロでした。最初は単なる夏風邪かと思っていましたが、週末に自宅で過ごすとケロリと治ることから、原因が職場の冷房にあることは明白でした。そこから私の「冷房下痢対策」の戦いが始まりました。まず私が導入したのは、真夏であっても冬用の厚手のカーディガンを常備することでした。しかし、腕や肩を温めても、肝心の腹部が冷えるとすぐに下痢が始まってしまいます。そこで、友人から勧められたのが「真夏の腹巻」でした。最初は半信半疑でしたが、薄手の吸湿速乾素材の腹巻を着用し始めたその日から、驚くほどお腹の調子が安定したのです。冷気が肌に直接当たらないだけで、これほどまでに腸の平穏が保たれるのかと感動したのを覚えています。また、ランチタイムの習慣も変えました。それまでは冷やしうどんやアイスコーヒーを好んでいましたが、それを温かいスープや白湯に変えました。同僚からは「この暑いのによくやるね」と笑われましたが、トイレで苦しむ時間に比べれば、熱いスープを飲む苦労など微々たるものです。さらに、足元の冷えもバカにできないことに気づきました。床近くの冷たい空気が足首を冷やし、それが血管を通じて全身の冷えに繋がっていたのです。デスクの下に小さな足置きを置き、靴下を二重に履くことで、下半身の血流を確保するようにしました。これらの対策を講じて三年、今ではあんなに恐れていたオフィスの冷房とも上手く共存できています。時折、対策を怠るとお腹がゴロゴロと鳴り始めますが、すぐに温かい飲み物を摂ることで未然に防げるようになりました。夏の冷房下痢は、個人の体質も関係していますが、それ以上に「環境への適応方法」を知っているかどうかが分かれ目になります。もし私のようにオフィスの極寒地獄で悩んでいる方がいれば、まずは見た目を気にせず、自分を温めるためのフル装備を整えてみてください。お腹の平和は、仕事のパフォーマンスを支える最も重要な基盤なのですから。
夏のオフィスで下痢と戦う私の体験記